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素材(生地)によって椅子は全然違う!違いや選び方をご紹介します
椅子とは一口に言っても、その素材(生地)には様々な種類がありますよね。同じ椅子でも、素材が異なるだけで、全く違う雰囲気の椅子になるので、意外と椅子の素材(生地)選びというのは大事なのです。
フィーリングだけの椅子選びはNG
インテリアショップに足を運ぶと、さまざまな椅子がならんでいるのを目にします。その時になんとなく気に入ったものを選択しても、実際に家に置いてみるとなんとなく違和感を覚えたという経験をしたことがある人も少なくありません。
椅子選びはフィーリングも大事ですが、それだけではダメなのです。椅子にはさまざまな種類があるので、まずはどのようなタイプがあり、どんな特徴があるのかを正しく把握することから始めましょう。
まずは、椅子の素材(生地)の種類について詳しくご紹介しましょう。
◆ファブリック
ファブリックとは、アクリル、ウール、レーヨン、ナイロンなどを使用して織られた布地のことです。織り方によって柄の出方が異なり、色の種類も豊富なのが特徴です。使われる糸により、触り心地や印象も変化します。
◆ビニールレザー
ビニールレザーとは、合成皮革の1つで、いわゆる塩化ビニールを使用して作られた素材のことで、PVC「Polyvinyl chloraide(ポリビニールクロライド)」の略称です。織物や編み物の生地表面に、ポリ塩化ビニール樹脂などを塗布したもののことを言います。
質感も、ビニール素材らしさがあり、硬くツルツルとした肌触りで、少しテカりがあるのが特徴です。本革やソフトレザーに比べると安価なため、家具だけでなく、バッグなど様々なものに使用されています。
また、加工性が高いため、カラフルな色に仕上げることが出来、よりファッショナブルな椅子やソファを作ることが出来ます。
◆ソフトレザー
ソフトレザーとは、合成皮革の1つで、PU「Polyurethane(ポリウレタン)」の略称です。ウレタン製の革のことを言い、より本革に近い肌触りや見た目をしています。ビニールレザーに比べて、上質な合成皮革と言っても良いでしょう。
ビニールレザーよりも表面が柔らかく、もっちりとした触り心地があるのが特徴です。裏地に綿状の繊維を用いることで、独特な素材感を表現出来、本革よりも伸縮性に優れています。
◆本革
本革とは、人工皮革や合成皮革以外の動物の皮を使って作られたもののことを言います。一般的に、椅子用の素材では、本革と言うと牛の皮を使用していることが多いです。
合成皮革やビニールレザーに比べると非常に高価なのが特徴です。見た目も艶があり、高級感があります。
また、本革の場合、同じ革を使っていても仕上げ方によって風合いや質感が異なることがあります。仕上げ方によって、色落ちや摩擦による劣化など、多少の耐久性が異なります。
◆スエード調人工皮革
スエード調人工皮革とは、その名の通り、人工的に天然スエードのような風合いを表現した生地のことを言います。技術の進化により、人工皮革でありながらも、品質や機能性は抜群で、洋服や家具、車のシートなど様々な用途で使用されています。
天然スエードに劣らないほど、滑らかな質感と上質な素材感が特徴です。
椅子の素材(生地)の選び方
ダイニングチェアやソファなど、あなたが椅子を選ぶ際に重要視するのはどこですか?
座り心地はもちろん、インテリアに合わせて選ぶ際には、素材(生地)選びが重要になってきます。大きく分けても、革にするのか、布にするのかでも、使い勝手はもちろん、デザイン性にも違いが出てくるはずです。
それぞれの素材の特性をよく理解し、使い心地をイメージしながら選ぶと良いでしょう。
【ファブリックの主なメリット・デメリット】
ファブリックは、親しみやすく、温かみのある素材が特徴です。最近流行の、ナチュラルテイストや北欧テイストのインテリアとも相性抜群です。
色や柄の種類がとても豊富なので、お部屋のイメージに合ったものが見つかりやすいのが最大のメリットでしょう。生地も、綿や麻など様々な種類から選べますので、用途によってお好みのものを選ぶことが出来ます。また、ファブリックは、伸縮性に優れていますので、立ったり座ったりを繰り返しても、生地の伸び縮みによる劣化が少ないのも魅力です。
一方、ファブリックの最大のデメリットは、水や汚れに弱いこと。ジュースやコーヒーをこぼした際はすぐにシミになってしまいます。カバーリングタイプで、取り外して洗濯が出来るものであれば問題ないのですが、外せない場合は、注意が必要です。また、繊維なのでホコリやダニが付きやすく、手入れを怠ると不衛生になりがちです。ハウスダストなどのアレルギーがある方はまめにお手入れをしましょう。
革に比べると摩耗性に弱いので、座る部分が擦れて傷みやすいのも難点です。生地によっては、毛羽立ちや毛玉が出来ることもあります。
【ビニールレザーの主なメリット・デメリット】
合成皮革の椅子やソファによく使用されるこのビニールレザーは、本革に比べてとてもリーズナブルなことから、手軽に購入できると人気があります。加工がしやすい素材のため、色やデザインのラインナップも豊富です。
また、汚れに強いので、お手入れがとても簡単です。食べこぼしや飲みこぼしをしても、サッと水拭きができるのでいつも清潔に保つことが出来ます。カビも発生しにくい素材です。お手入れがしやすければ、それだけ長く使うことが出来るので、コストパフォーマンスが高いと言えます。小さな子供のいる家庭にとっては、最適な素材と言えるでしょう。
しかし、ビニールレザーは通気性が悪いので、長時間座っていると、背中やお尻が蒸れてべた付いてしまうのが難点です。
【ソフトレザーのメリット・デメリット】
ソフトレザーは、ビニールレザーに比べると柔らかく、肌触りが良いので座っていて気持ちが良い素材です。柔軟性に優れていますから、ソファや椅子に適しています。
お手入れ方法は、ビニールレザーと異なり、乾拭きが基本となります。本革のように水に弱いわけではないものの、ソフトレザーは、水分を含みやすいという特徴があるため、あまり多く水が染み込んでしまうと、表面がポロポロと剥がれてしまいます。湿気が多い場所にも不向きです。
本革よりは安価に購入できますが、その分、素材の耐久性は劣ると言えます。
【本革のメリット・デメリット】
本革のメリットと言えば、やはり高級感。他にはない、質感と見た目の良さで、存在感を感じさせてくれます。
正しいお手入れをしていれば、合成皮革やファブリックと比べ、長持ちしてくれますので、思い切って購入する価値はあるでしょう。
購入したらすぐ革専用の「プロテクトクリーム」を塗ることで、汚れが付きにくくなり、革に必要な栄養を送り込むことも出来ますので寿命を延ばすことが出来ます。多少の傷や汚れは革特有の「味」となりますので、その風合いを楽しむのも良いでしょう。
また、通気性に優れているので、合成皮革特有のジメジメと蒸れる不快感はありません。湿気の多い日本の夏も快適に過ごすことが出来ますね。
一方、本革の最大のデメリットは、価格の高さです。そう何度も買い替えられる値段ではないため、飽きっぽい人には不向きかもしれません。また、熱に弱いため、ストーブやヒーターの近くでの使用は避けるようにしましょう。直射日光に長時間当てているのも良くありません。変色や変形の原因となってしまいます。
さらに、傷にも弱いので、模様替えや引っ越しの際に、傷がつかないよう注意が必要となります。
お部屋にあった素材(生地)とは
素材によって、様々なデザインや色・柄がありますが、選ぶ際に決め手となるのが、使う部屋と雰囲気が合っているかという点です。お部屋の広さやお部屋の家具とのバランスが悪いと、せっかくの良い椅子も台無しです。
気に入った椅子を見つけたら、自分の部屋の雰囲気と合うかどうかシミュレーションしてから購入するようにしましょう。ここでは、お部屋のインテリアとおすすめの椅子のカラーについてご紹介します。
【北欧系インテリアにはグレーがおすすめ!】
最近流行りの北欧系インテリア。上手に色・柄を取り入れることで、おしゃれ度がアップします。そんな北欧系インテリアが好きな方は、グレーの椅子やソファがおすすめです。ナチュラルテイストの家具とも相性が良く、ネイビーやイエローと合わせることで、より上品でおしゃれなインテリアを楽しむことが出来ます。
素材は、ファブリックがおすすめです。お部屋を温かみのある雰囲気に仕上げてくれますので、全体のバランスも良くなるでしょう。クッションは、北欧らしい柄物を取り入れても素敵です。
【ナチュラル系インテリアにはブラウンがおすすめ!】
木目調の家具を使用した優しい雰囲気の、ナチュラルテイストのインテリアが好きな方は、ブラウンの椅子やソファを合わせましょう。グリーン系のカーテンやラグとも相性が良く、お部屋全体が明るい雰囲気になります。
素材は、ファブリック・レザーどちらでも相性が良く、ベージュやライトグレーなどの淡い色のクッションを置くと、重たくなりすぎず、柔らかい印象になるでしょう。
キャメルのような、ややオレンジっぽい色であればレザーでもハードすぎることはないのでコーディネイトしやすいと思います。
【カジュアル系インテリアにはブルーがおすすめ!】
カジュアル系インテリアが好きな方には、ブルーがおすすめです。海や空をイメージするブルーは、爽やかな印象を与えてくれますね。真っ白な壁紙に、ブルーのソファがあると、それだけでアクセントにもなります。
素材は、ファブリックがおすすめです。スカイブルーやターコイズブルーであれば、明るく爽やかに。深みのある濃いめのブルーであれば、落ち着いたシックなイメージとなります。ブルーが好きな方は、他の家具は白系で統一したほうがすっきりと見せられます。
【男前系インテリアにはブラックまたはレッドがおすすめ!】
男前インテリアが好きな方には、レザーのブラックまたはレッドのソファや椅子がおすすめです。ヴィンテージやアメリカン、レトロ調の雰囲気のお部屋にぴったり合います。ウォールナットの家具や、デニム生地のクッションなどと相性が良いので、お部屋全体がかっこいいイメージになると思います。
レザーの程よい色褪せ感などが出れば、より雰囲気が出て、おしゃれなお部屋になるでしょう。
【椅子を長持ちさせるコツ】
傷んだ際には、張替えという便利な方法が役立ちますが、できることなら劣化させることなく長く続けたいというのが本音でしょう。どのようなことを意識すれば、長持ちさせられるのでしょうか。コツをご紹介します。
【から拭きで汚れや汗などを落とす】
布や革で作られた張り生地は、水分に弱いです。ですがから拭きであれば、安心してお手入れできます。あまり強く拭きすぎるとその力で傷めてしまうこともあるので、あくまでさっと拭くことを意識してください。
【食べ物や飲み物をこぼしてしまったとき】
飲食物は、から拭きだけではとれないケースも少なくありません。とはいえ、かならず諦めなければならないわけでもなく、一工夫することで汚れを和らげられます。まず、40度ほどのぬるま湯に、家庭用中性洗剤が300~500倍に薄まるよう混ぜ合わせます。そしてそれを雑巾にしみこませ、硬く絞って汚れ落としに使います。とはいえ、前述の通り水分は禁物なので、仕上げにやはりから拭きするよう気をつけましょう。洗剤成分により、から拭き以上の汚れ落ち効果が期待できます。
【置き場所に気をつける】
布や革の生地は、日光・熱などに弱いです。そのため、直射日光のあたらない場所や、エアコン・ヒーター・ストーブといった温熱器具から遠ざけるよう工夫しましょう。生地の傷みのほか、色落ちも防げます。
まとめ
いかがでしたか?
椅子の素材とは言っても、それぞれ特徴があり、合わせるインテリアによってもお部屋の雰囲気が大きく変わります。存在感のある色を選ぶ場合は、カーテンやラグ、床の色との相性も考えて選ぶようにしましょう。比較的、グレーやベージュ、ブラウンなどを選ぶと、コーディネイトしやすいと思います。
また、値段が高ければ「良いもの」「長持ちするもの」というわけではありません。
ファブリックなど、汚れが取れにくい素材であれば、どんなに良いブランドの椅子であっても、衛生面が気になり、数年で買い替え又は張替えをしたくなるでしょう。一方で、本革の高級ソファを購入しても、汚れを気にしてリラックスできないのであれば意味がありませんよね。
誰がどのくらいの頻度で、どのように使うかによっても、椅子の寿命は変化していきます。小さな子供がいる家庭であれば、汚れに強い合成皮革を使用した椅子を選ぶと良いでしょうし、お部屋のイメージ的にファブリック素材が良いのであれば、取り外し可能なカバーリングタイプを選ぶのも良いでしょう。
このように椅子を選ぶ際は、値段や好みのデザインだけでなく、耐久性や機能性も重視し、それぞれのライフスタイルに合った本当の意味での「良い椅子」を選ぶようにしてくださいね。